オフィスは従業員間のコミュニケーションの場として、あるいは情報共有の場として重要な役割を果たしています。一方で、仕事の内容によっては一人で集中して取り組みたい場面も出てくるのではないでしょうか。
この記事では、オフィスに個室ブースを設置する方法や、主な個室ブースの種類についてわかりやすく解説しています。防音性を高める工夫や個室を設置する際に注意すべき点のほか、個室ブースを取り入れたおしゃれなオフィスの事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次 オフィスの個室化とは オフィスに個室を設ける方法3選 個室ブースの種類 個室の設置時に注意しておきたい「消防法」 おすすめ個室ブース「WOOBO」の特長 個室ブースを取り入れたおしゃれなオフィスの事例 個室ブースでオフィスに個室空間を手軽に導入しよう |
オフィスの個室化とは
はじめに、オフィスを「個室化」するとはどういうことか、基本的な考え方と取り入れるメリットを整理しておきましょう。
オフィスに一人用スペースを設けること
オフィスの個室化とは、従業員が作業やオンライン会議などに集中するために一人で利用できる専用スペースを設けることを指します。個室ブースのほか、ワークブースやソロブース、テレカンブースといった呼称がありますが、いずれも基本的には一人用スペースのことを指しています。
一人用スペースの設置といっても、オフィス内のすべてのデスクを個室化する必要はありません。仕事の内容や状況に応じて、必要なときに適宜利用できる個室ブースを既存のオフィスに追加するイメージです。
オフィスに個室スペースを設けるメリット
オフィスに個室スペースが追加されることで、次の3つのメリットが期待できます。
集中しやすい環境を提供できる
業務の内容によっては、一人で黙々と取り組んだほうが効率的に進められる場合があります。周囲の会話や物音が気になりにくいスペースを用意することで、集中しやすい環境を提供できる点がメリットです。
プライバシーが確保される
周囲の視線を遮られる個室空間は、プライバシーの保護にも有効です。個人情報をはじめ、機密情報などを扱う業務においては、情報漏えいのリスクを最小限に抑える必要があります。プライバシーが確保された状態で業務を進められることは、個室ブースを設けるメリットの1つといえるでしょう。
オンライン会議に対応しやすくなる
近年はWeb会議システムを通じて商談や打ち合わせを行うケースも増えています。個室ブースを利用することで、周囲の騒音をマイクが拾いにくい環境でオンライン会議に臨める点がメリットです。
オフィスに個室を設ける方法3選
個室ブースと一口に言っても、いくつかの設置方法が想定されます。ここでは、代表的な3種類の設置方法について見ていきましょう。
1. パーティションを設置する
ハイパーティションもしくはロータイプパーティションを設置して、空間を仕切る方法です。ハイパーティションは床から天井までを仕切るタイプ、ローパーティションは天井まで届かない高さのタイプのものを指します。
パーティションは後から設置できるため、オフィスのポイントリノベーションにも対応可能です。なお、後述するようにパーティションの高さによっては、消防法にのっとって防火設備等を設置する必要があります。
2. 造作壁で空間を区切る
造作壁とは、石膏ボードと壁紙で作られた間仕切り壁のことをいいます。新たに壁を設けることになるため、オフィス全体を改装するフルリノベーション向きの設置方法です。パーティションよりも防音性が高く、機密性の高い空間を作りやすい一方で、施工後のレイアウト変更がしにくい点がデメリットといえます。
3. 個室ブースを導入する
独立した一人用ブースを設置する方法です。既存のオフィスに設置するだけで導入できるため、パーティションや造作壁のような工事を行うことなく個室ブースを設けられます。製品によってはコンセント1つで給電が可能なものもあるため、大がかりな配線工事を行う必要もありません。防音性とプライバシー保護を両立した空間を手軽に導入したい場合におすすめです。
個室ブースの種類
個室ブースには「クローズ型」「セミクローズ型」「オープン型」の3種類があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを確認しておきましょう。
クローズ型
天井とドアが設置されており、ドアを閉めると密室になるタイプの個室ブースです。防音性や機密性に優れており、外部の騒音や視線を遮るほか、室内の話し声を漏れにくくする効果が期待できます。
デメリットとしては、完全に密室になるため消防法への対応が必須となることや、価格が他のタイプよりも高額になる点が挙げられます。こうしたデメリットを回避したい場合には、次に紹介するセミクローズ型の個室ブースも選択肢に加えておくとよいでしょう。
セミクローズ型
ドアを閉められるものの、天井が設けられていないなど、一部が開放されているタイプの個室ブースです。周囲の視線を遮りつつ、騒音を防ぐ効果もある程度まで期待できます。
たとえば、「一人で集中して作業に取り組める空間を設けたい」「オンライン会議用のスペースを設置したい」といった場合は、セミクローズ型の個室ブースがおすすめです。完全な密室ではないことから、消防法における「防音室」にも該当しません。適度な防音機能を備えた個室ブースを手軽に導入したい事業者様に適しています。
オープン型
左右と奥の三方向が壁で囲まれているタイプの個室スペースです。周囲の視界を遮る効果が期待できる一方で、ドアがないため使用中かどうかが一目でわかります。間仕切りを三方向に設けるだけで設置できるため、費用を抑えて個室スペースを設けられる点もメリットです。
ただし、背面は完全に開放されていることから、防音性に関してはあまり期待できません。オンライン会議用のスペースを設けたい場合など、防音機能が個室ブースを設置する目的であれば前述のクローズ型、もしくはセミクローズ型が適しているでしょう。
個室の設置時に注意しておきたい「消防法」
オフィスに個室ブースを設置するにあたって、注意しておきたいのが消防法の規定です。消防法の対象となる個室(居室)の条件と、居室に必要とされる設備について解説します。
消防法の対象となる個室
消防法が適用されるのは「居室」に該当する空間です。居室とは、壁と天井によって完全に囲まれている空間のことを指します。個室ブースのうち、天井が設置されているクローズ型は消防法の対象となる居室です。
反対に、天井が設けられていないセミクローズ型や、ドアがないオープン型の個室ブースに関しては、消防法の適用対象外となります。同じ個室ブースでも、形態によって消防法の適用有無が異なる点に注意が必要です。
居室に必要とされる設備
居室に該当する個室ブースを設置する場合、消防設備(消火栓設備やスプリンクラー、延焼防止設備等)のほか、自動火災報知設備や火災発生を知らせるスピーカーなどを設置しなければなりません。また、設備の他に防火管理者の選任や消防計画の作成、避難訓練の実施なども必要です。さらに、消防設備は定期的に点検を実施し、確実に作動することを確認するよう義務づけられています。こうした法令上の遵守事項を事前によく確認し、法令にのっとって運用していくことが大切です。
おすすめ個室ブース「WOOBO」の特長
木の温もりが感じられる無垢材を使用したセミクローズ型個室ブース「WOOBO」を紹介します。WOOBOの主な特長を見ていきましょう。

特長1:電気工事不要で設置可能
WOOBOは組み立て式の個室ブースです。電気工事を行う必要はなく、コンセントを1つ挿すだけで室内の照明やコンセント、USB-A充電ポートを使用できます。
また、天井のないセミクローズ型のため、消防法上も居室には該当しません(※)。手軽に設置できるシンプルさと、充実した設備が魅力です。
※オプションで吸音材・防音材・ファン付きの天井板を設置することも可能です。この場合、消防法にのっとった防火設備等を別途設置する必要があります。
特長2:国産木材による温かみのある空間
WOOBOは国産スギ材/国産ヒノキ材100%の無垢材を贅沢に使用しています。木の香りや手触り、適度な吸音のほか、圧迫感を覚えにくい居心地の良い空間を提供できる点が特長です。無機質になりがちな人工物にはない、天然素材ならではの温もりを感じられます。
特長3:オンライン映えする照明
照明デザイナーとの共同開発による「オンライン映え照明」を標準搭載。室内全体を照らすダウンライトと、顔を照らすデスクライト、首から下を照らすフットライトの組み合わせにより、ムラのない自然な映りを実現しています。オンライン会議用のスペースとして、個室ブースを活用したい事業者様におすすめです。
特長4:多彩なオプションでカスタマイズも可能
天井板のほか、オリジナルロゴ入れやPCスタンド、入退室ランプなど多彩なオプションによるカスタマイズにも対応しています。背面コード隠しボックスも追加できるため、コードを隠してすっきりと設置することも可能。個室ブースの用途や設置場所に応じて、柔軟にオプションを選択できます。
個室ブースを取り入れたおしゃれなオフィスの事例
個室ブースを取り入れたおしゃれなオフィスの事例を紹介します。具体的な導入効果にも触れていますので、個室ブース導入をご検討いただく際に役立ててください。
オンライン面談用ブースとして(ブラッシュアップ・ジャパン)
オフィス移転を機に、オンライン面談に利用できる個室ブースを導入した事例です。導入後の使用率は80%以上と、多くの従業員に活用される空間となりました。
個室ブースの導入効果として、使用する従業員だけでなく、画面越しに映る天然素材に囲まれた空間がお客様にもリラックス効果をもたらしている点が挙げられます。単に防音やプライバシー保護のための空間としてだけでなく、相互にリラックスしてオンライン面談に臨める環境を提供することにつながりました。
オープンな空間に個室をプラス(新興建築サービス)
本社オフィスのリノベーションに際して、オフィス内装を木質化するとともに、木の素材でできた個室ブースを導入した事例です。同社ではオフィスフロアをオープンな空間に改装したことに伴い、個室ブースを主にオンライン会議や携帯電話で話すための空間として活用しています。適度な防音性と吸音性により、メリハリをつけて執務スペースと使い分けられるようになりました。
オープンな空間で個室が少ないオフィスにおすすめの活用例といえます。
長時間のオンライン面談も快適に(ポジウィル)
オンラインによるキャリア相談やパーソナルトレーニングなどのサービスを提供している企業において、オンライン面談用の空間として個室ブースを導入した事例です。従来は自作ブースを利用していましたが、防音性や使い勝手の面が課題となっていました。機能性とデザイン性を兼ね備えたWOOBOを導入したことにより、これらの課題解決につながっています。
木の質感によるリラックス効果が、閉塞感や圧迫感を覚えにくい空間をもたらしています。これにより、長時間の面談や作業にも快適に取り組めるようになりました。オンライン会議の機会が多い事業者様に適した個室ブースの活用例といえるでしょう。
個室ブースでオフィスに個室空間を手軽に導入しよう
個室ブースを設置することにより、集中しやすい環境を提供できるほか、プライバシー確保が求められる業務やオンライン会議に適した空間を手軽に設置できます。オフィス内に集中できる場所を設けたい事業者様をはじめ、オンライン会議に活用できる専用スペースの設置をご検討中の事業者様にとって、個室ブースは最適な解決策となり得るでしょう。
個室ブース設置について詳しく知りたい方のための資料をご用意しております。詳細につきましては気軽にお問い合わせください。