コラム
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2024.12.19【森林環境譲与税の使途事例】国産木材を使用した個室ブース型授乳室を導入「熊本県合志市」

2024年9月、熊本県合志市は森林環境譲与税を活用し、国産木材で製作された個室ブース型の授乳室を導入されました。授乳室は、キイノクスの木製ワークブース「WOOBO」を基に作られており、合志市総合センターの「ヴィーブル」、「東児童館」と「泉ヶ丘市民センター児童館」の3ヶ所に設置されています。授乳室にはさまざまなタイプのものがありますが、キイノクスの木製の授乳室にはどのようなメリットがあるのでしょうか? 完成した木製授乳室の感想や森林環境譲与税を活用することになった経緯などを合志市職員の方に伺いました。児童館で実際に授乳室を利用された方のアンケートから、使い心地や感想もご紹介します。

“置くだけ”で導入できるキイノクスの木製授乳室

――木製授乳室の感想をお聞かせください。

木目が美しくて、華やかで品がある印象を受けました。無垢材が使用されており、木の手触りも香りも良く温かみがあるため、授乳室を利用されるお母さんたちにとってリラックスできる個室空間になったと思います。導入も“置くだけ”と簡単だったので、設置工事の時間とコストが削減できましたし、それでいて簡素なものを“ただ置いただけ”という感じがしないのも良いですね。総合センター「ヴィーブル」では玄関口に設置したのですが、授乳室の木目とその場の雰囲気がマッチし、視覚的にホッとするような空間となりました。

仕様面でも合志市のリクエスト通りにカスタマイズしていただき、使い勝手や安全性が大幅に向上したので、大変満足しています。ちなみに授乳室内のソファーの形状はL型とI型で検討していたのですが、利用される予定の方にアンケートをとった結果、L型に決まりました。ソファーの形状まで選べる点も素晴らしいと思います。

木製授乳室のアンケート結果

児童館職員の方々のご感想

・自然のイメージで、第一印象からとても気に入った
・見た目がオシャレ
・木の良い香りがしてリラックス効果があると思う
・デザインも使い勝手も良くて、個人的にとても気に入っているので、施設利用者の方に自慢げに案内している
・室内にコンセントがあるなど機能的
・未使用時は扉を閉めており、「ここはあかちゃんのおへやです。なかではあそべません」という貼り紙をすることで、児童館に来館した子どもが授乳室内で遊びたがることはない

授乳室を利用された方々のご感想

・室内が広かったので、荷物を置いて授乳できた
・内鍵が付いていて、授乳中に外から開けられたり他の人から見られたりする心配がないので良かった
・木の香りが心地良かった
・清潔で広い
・個室でプライバシーが保たれていて、助かった
・児童館の中に設置されているのが使いやすい
・清潔で鍵付きなので安心して利用できる
・L字型のソファーは広いので、上の子も一緒に入って横になったり楽しんでいたりしたので良かった
・電源も付いていて便利
・木の授乳室はすてき
・扉がしっかりしていて、鍵も付いていたので安心して利用できた
・木の香りがするのが良い
・室内が広くて、上の子も一緒に入れて良かった
・木の香りと雰囲気が良い
・プライベート空間なので安心できた
・いろいろな場所に後付けで設置できるのが良い
・子どもを連れて長時間滞在する場所にあると安心
・L字型ソファーは座りやすく、ほどよい明るさで落ち着いて過ごせた
・児童館にあると下の子を授乳させているときに上の子は遊ぶことができるので利用しやすい
・木の温もりが感じられる
・高級感と清潔感があって良い
・室内に時計があれば授乳時間が分かるので便利だと思う
・室内から扉を開けるとき、取っ手と壁で指を挟まないか心配
・L字ソファーの両端にテーブルがあるとなお良い
・室内に時計がほしい。あれば何分授乳させたか見れるので助かる
・室内の照明に和紙のようなシェードを付けてほしい。赤ちゃんの目に優しく、お母さんの手元も明るくなる
・授乳中に緊急事態が起きたときのことを考えて、ナースコールのようなブザーがあるとより安心できる

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森林環境譲与税を活用して木製の授乳室を導入した経緯

――森林環境譲与税を活用して木製の授乳室を導入された経緯をお聞かせください。

まず、授乳室を導入しようと思ったきっかけは、市民の方々からのご要望が増えたためです。2023年の春くらいから児童館などに授乳室を設置してほしいというお声をいただくようになったため、乳児連れの方が長時間滞在する市営施設に授乳室を設置する方針となりました。

授乳室の導入を検討し始めた段階では、森林環境譲与税を活用することは考えておらず、地方公共団体向けのデジ田(デジタル田園都市国家構想交付金)を利用して、一般的な授乳室を設置する予定でした。しかし、検討していた授乳室だと、仕様やコスト面でどうしても折り合いがつかず……。どうやって授乳室を導入しようかと悩んでいたところ、上司から「森林環境譲与税を活用してみては?」というアドバイスをいただきました。

合志市の森林環境譲与税の使途としては、今までは災害予防の観点から道路にはみ出した立木などの伐採や保全に使用していたので、木材利用の促進に充てるのは今回の授乳室が初になります。森林環境譲与税は市民の方々のために活用するものなのですが、使い道が限定的なため、他の市町村の事例を調べても実用的なことに使われるケースはほとんどありませんでした。その点、木製の授乳室の導入であればお母さん方へ直接的なサポートができるので、スムーズに採用されたと感じています。

授乳室の基となったキイノクスの木製ワークブース「WOOBO」と出会ったのは、条件に合う授乳室を探していたときです。実は、初期に検討していた授乳室は、入口に段差があったりカスタマイズしにくかったりとコスト以外でも採用を妨げる課題がありました。その点、WOOBOは置くだけで設置可能で段差もなく、森林環境譲与税を活用できることも決め手となって、導入が決まりました。プライバシーの保護や安全面への配慮など、合志市のリクエストに応じたカスタマイズもしていただいたので、ほぼイメージ通りの授乳室ができあがったと思います。

ただ、授乳室のロゴは、もっと大きく目立つものにした方が良かったかもしれません。設置したあとに気付いたのですが、遠くから見ると、木の設置物が置いてあるってことは分かっても、授乳室だとは認識しづらいんですね。ロゴ以外の全体の仕上がりには満足していますし、この授乳室は今後も需要の高そうな市営施設に設置していく予定なので、より使いやすいようにリクエストをまとめていく方針です。子育て中のご家族が長時間滞在するような場所、たとえば、合志市の温泉施設などに導入できればと考えております。

森林環境譲与税の活用に関するお問い合わせはこちら

商品情報
名称:キイノクス 授乳室
寸法:幅1330 mm 奥行1050 mm 高さ1830 mm (約0.6畳)
材質:国産スギ材を使用
木材産地:岐阜・富山など14府県
【標準仕様】
・引き戸式扉(授乳ブースロゴ付き)
・天井は開口
・内鍵付き
・コンセント1口、USBソケット2口付き
・スツール(I型、L型を選択可能)
・作業棚(幅300 mm 奥行150 mm 設置場所を選択可能)
【施工情報】
設置場所にて組立、置くだけで施工完了。
電源工事不要。コンセント1つ差すだけで利用できます。
設置場所移動時はバラして再度組立可能です。

※キイノクス編集部の補足

本事例は、市民の方からのご要望が契機となり進められています。一方、令和3年4月1日に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の一部が改正されました。改正された内容では、授乳室の設置は直接義務付けられていないものの、地方自治体の条例で特定の建築物に授乳室やおむつ交換スペースの設置を義務付けている場合があります。




      

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