こんにちは、もりのきのこです! 2023年4月11日(火)にキイノクスメンバー企業の「ウッドリンク株式会社」を訪問しました。
富山県射水市に本社を構えるウッドリンク株式会社は、北陸、中京、関西、関東地区に事業を展開している木材業者さん。
住宅資材や素材板の製造販売、プレカット、オリジナルブランドのオフィス家具製造販売など、良質な国産スギ材/ヒノキ材を用いた幅広い事業を展開されています。
さらに、新国立競技場の建築で使用された47都道府県の材のうち、北陸3県(富山、石川、福井)の材を納入したすごい会社なのです!
今回の訪問では、製材工場、プレカット工場、施主さんが家づくりについて学べる施設「ウッドリンク・ラボ」など、一通りご案内いただきました。
そのなかから、丸太から製材までの加工工程をおこなう製材工場について、レポートします!
ウッドリンク製材工場でつくられる国産木材の「幅はぎ材」とは?
家具や内装材として用いる木材は2種類に大別されます。ひとつめは、大きな木からとった一枚板(無垢材)。ふたつめは、複数の材を接着して一枚板のようにした「集成材」や「はぎ材」と呼ばれるもの。
キイノクス オフィス製品のひとつ、木のワークブース「WOOBO」は、実はウッドリンクさんが手掛けるスギの「幅はぎ材」を使用しているのです。
↑の写真をよ~くご覧ください。
一枚板ではなく、細長い板をはぎ合わせてつくられています。これが「幅はぎ材」ですね。
ウッドリンクさんは、国産のスギ・ヒノキを素材にした最高品質の木材を提供する素材ブランド「木と人」を展開しており、幅はぎ材でつくられた製品も多数販売しています。
さらに、幅はぎ材のフリー板も扱っていて、個人の方でもWebサイトからお買い求めが可能。フリー板は、節のあるもの or ないもの、長さや厚さなども選んで購入できます。
製材工場見学レポート~国産杉(スギ)・檜(ヒノキ)から原板ができるまで~
ウッドリンクさんの製材工場見学では、丸太を加工して原板になるまでの工程をじっくりと見させていただきました!
原板とは、お客様に販売する素材板商品の前段階となる板材のこと。ウッドリンクさんでは、まず原板を製造し、そこから住宅建築用の「羽柄材」と呼ばれる部材や、用途を定めないフリー板などをつくるそうです。
では、どのような工程を経て、原板として完成するのでしょうか? 写真を交えてご紹介させていただきます。
製材工程①原木土場から丸太を運び出す
板材の原料は、枝葉が取り除かれたとても大きな丸太です。大量の丸太が広い原木土場に置かれていて、その光景は圧巻! 大半がスギで、一部ヒノキもありました。
ウッドリンクさんでは節や曲がりのない原木を厳選しているため、原木土場に置かれた丸太は太さも長さもぱっと見“均一”に思えました。これらの丸太に無駄のない加工を施すことで、製品の品質も均一とするのが狙いだそうです。
丸太は、大きなパワーショベルで原木選別機まで運ばれ、製造ラインを流れて自動で原板加工の工程に進みます。
製材工程②丸太の皮むき・切削
運び出された丸太は、まだ樹皮が付いている状態なので、最初に皮むき機械を通り抜けます。あっという間に皮がむかれていく様子は、見ているだけで爽快でした(笑)。
皮むき後、原木は縦にスライス(切削)され、長~い板が複数できあがります。「おが屑」以外は製品になり、いわゆる端材は一切出ないとのこと。丸太全部を余すところなく使うとは驚きです!
製材工程③原板の加工
切削された長~い板は、周辺部(背板)、中心部(タイコ)に分けられ、原板に加工されます。加工後は同じ種類ごとに積み重ねられ、次の乾燥工程に進みます。原板のかたちにしたら完成、というわけではないんですね。
製材工程④原板を乾燥
山林から切り出された丸太は、乾燥させていないので、触ると湿り気がありました。この状態のまま製品化してしまうと反ったり割れたりするので、乾燥機に入れてしっかりと乾かすそうです。
ウッドリンクさんでは、乾燥の熱源に丸太の皮(バーク)や、おが屑を使用しており、化石燃料は一切使っていないそうです。SDGsを意識した地球環境にもコスト負担にも優しい工場ですね!
製材工場見学おまけレポート~幅はぎ接着工程~
丸太から切り出した原板を乾燥させるまでの工程のほか、WOOBOの製造にも使われる幅はぎ材の加工も見学させていただきました。
具体的には、乾燥機で接着剤を乾かすところです。巨大な電子レンジのような機械で、板と板をつなぐ接着剤を乾燥させます。電子レンジに例えたのは、高周波を使うからですね。
ちなみにウッドリンクさんでは、丸太の仕入れから加工まで、いくつもの工程を一貫しておこなっているそうです。さらに、ひとつひとつの工程を丁寧におこなっているため、割れや反り、狂いが少ない最高品質の幅はぎ材ができあがるのですね。
ウッドリンクさんの工場を見学してわかったのは、木材のような天然素材を規格化・商品化するのは、高度な技術を要する繊細な作業だということ。
なるべく均一な丸太を仕入れてはいるものの、天然素材を使っている以上、当然太さや長さは異なります。にもかかわらず、端材を出すことなく丸太全部を使い切っているのですから、並大抵の努力では到達できない領域だと感じました。
製材工程を規格化できたからこそたどり着けた、匠の技と言えますね!