国産木材の流通や利活用促進を通して、自然環境の保全や地域経済の活性化などを目指す「キイノクス プロジェクト」。その活動を五感で味わっていただけるリアルイベントとして、11月17日(木)に「キイノクスDAY」を開催しました。
BIPROGY株式会社 豊洲本社にて行われたイベントの展示をキイノクス編集部がレポートさせていただきます。
キイノクスDAY 開催概要 |
開催日時 2022.11.17 |
開催場所 BIPROGY株式会社 豊洲本社1F/29F |
主催 キイノクス推進協議会 |
【キイノクス プロジェクトブース】国産木材を活用したオフィスの木質化
まずはキイノクス プロジェクトのオフィスブースをご紹介します。国産材デスクと天然木のワークブース「WOOBO」などを設置しました。キイノクス オフィスの製品は国産木材で製作しており、使用した木材分のCO2固定と、新たに木を植える森への還元策でカーボンニュートラルへ貢献。導入するだけで森林保全にも繋がります。
【キイノクス プロジェクトブース】SDGsを意識したオリジナルアート作品
同じくキイノクス プロジェクトのブースから、井上光雅堂のアート作品をご紹介。先鋭アーティストとコラボした作品も飾られました。これらは、市場に流通することのない未利用材や木材加工の過程で余ってしまった端材に、新たな命を吹き込んだオリジナルアートです。
国産材の可能性を拡張する、SDGsを意識した「キイノクス アップサイクル プロジェクト」。その一環で誕生した作品が、「キイノクスDAY」に訪れた多くの方の目に留まったのは喜ばしい限りです。
【キイノクス プロジェクトブース】工務店・木材関連事業者・森林を繋げる木材流通プラットフォーム
木材流通プラットフォームのブースでは、情報の可視化と連携で、国産木材の流通を変えていく「キイノクス サプライチェーン」の解説パネルを設置。キイノクスの新プロジェクトで、国産木材を使用したセミオーダー住宅「キイノクスハウス」に関するパネルも設置しました。
【ヤハギ緑化】オフィス空間の緑化を提案
公園や道路、企業オフィスなど、様々なシーンで緑化事業を展開するヤハギ緑化は、キイノクスDAYでもその手腕を発揮。会場のいたるところに“緑”をデザインし、心地良い空間を生み出しました。
ブースでは、キイノクス オフィスとのコラボも実施。木の温もりが感じられる国産材デスクに、目に優しい緑を調和させ、癒しのワークルームを実現しています。 ヤハギ緑化株式会社 コーポレートサイト
【板蔵ファクトリー】木目と塗装が生み出す唯一無二の一枚板
“木に触れる機会を創り出す木工所”を目指している板蔵ファクトリーのブース。複数の無垢一枚板や未利用資源を活用した木の塗り壁「Mokkun(モックン)」などが展示されるなか、一際目をひいた鮮やかな藍色。
家具や野球のバットにも使用される樹種タモに、日本伝統工芸の藍染塗装を施したこの逸品。近くで見ると、木目に浮かび上がった藍の染料のグラデーションが美しく、神秘的な雰囲気さえ感じました。この一枚板は、そのかたちのままテーブルなどの天板となり、生活に彩りを与えてくれるそうです。
【ウッドリンク】木の香りが漂う素材ブランド「木と人」
ウッドリンクのブースでは、木の魅力を最大限に活かした素材ブランド「木と人」を展示。国産のスギ・ヒノキを素材につくられたフリー板からは、優しい木の香りが漂っていました。ほかにも、木の調質効果や香りの効能に関する解説パネルを設置。癒しの香りに包まれながら、更なる木の知識を学ぶことができます。
【ツバキラボ】未利用樹種アベマキの意外な活用法「アベマキコーヒー」
続いて、以前にオンライン取材させていただいたツバキラボをご紹介します。木工用途として使われた事例がほとんどない木、アベマキを焙煎してコーヒーとブレンドとした「アベマキコーヒー」の試飲会を実施。
話には聞いていた木のコーヒー。実物を手に取ってみると、コーヒーの香りのなかに、ほのかな木の匂いが感じられました。普通のコーヒーとの違いがはっきりとわかったのは、口にしたあと。苦みや雑味が緩和され、後味スッキリの味わいになっています。
ほかの樹種でも試した結果、一番アベマキがおいしく仕上がったというのも納得です。今回のイベントではアベマキコーヒーの試飲会のみでしたが、ツバキラボはアベマキをはじめとした木工品も多数扱っています。興味のある方はぜひサイトに訪れてみてください。
木工シェア工房ツバキラボに聞く 国産木材「アベマキ」製品の魅力
【土佐草木花】廃木材をアップサイクル「かなばフラワー」
最後にご紹介するのは、廃木材を再利用した作品づくりなどをしているアトリエ土佐草木花。廃棄されるはずの“かんな屑”をアップサイクルして創作された「かなばフラワー」が展示されていました。
以前、オンラインで取材させていただいた「かなばフラワー」ですが、生で見ると、その繊細な美しさに圧倒されました。かんな屑を組み合わせ、花を形づくるだけでなく、土佐和紙を貼り合わせて鮮やかさを表現。
会場でかんな屑の実物を触らせてもらったのですが、ツルツルとした手触りで扱うのが大変といった印象。さらに、力の入れ方を間違えると壊れてしまいそうなかんな屑を組み合わせるのは、如何に巧みな技なのかがわかります。
廃木材を花に変えるサスティナブルな取り組み 土佐草木花の「かなばフラワー」
さまざまな展示や催しが行われた「キイノクスDAY」。イベント当日は招待制にもかかわらず、68社173名もの方にご参加いただきました。大盛況のうちに幕を閉じられたこと、この場を借りて御礼申し上げます。