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キイノクスの取組に関する最新情報や、最近の活動についてご報告いたします。

2023.11.10都内オフィスビルに国産木材の端材や未利用材を活用したアップサイクルアートを設置

キイノクス アップサイクルプロジェクトは、東急不動産株式会社様よりご依頼をいただき、国産木材の端材や未利用材を活用したアート作品『異素材シリーズ』を制作。都内オフィスビルのエントランスに設置しました。

(制作:京表具 井上光雅堂)

自社グループの敷地内の国産木材を活用

今回制作したアートには、蓼科にある東急リゾートタウン蓼科(東急不動産)敷地内の間伐材を使用しました。東急リゾートタウン蓼科は、「森をまもり、森とともに暮らす」をコンセプトに、森林資源の利活用を核とした「まもる」「つかう」「つなぐ」のサイクルを回していく「もりぐらし」活動を推進しています。

今回はその蓼科の森から、クリとカラマツをご提供いただきました。

無機的な空間に、有機的な木や和紙の温かみを

キイノクス アップサイクルプロジェクトでは、お客様のご要望をお伺いし、1点もののアート作品を制作しています。ご依頼主の東急不動産株式会社様には、作品のコンセプトづくりから参画いただきました。今回の作品では、どのような思いを表現されたのでしょうか? ご担当の古賀大貴さんにお聞きします。

「この建物は、『ナチュラル』、『親しみやすさ』、『あたたかみ』をキーワードとしています。顔を合わせなくても仕事ができる時代になり、オフィスには、人と人との交流や、そこでしか体験できない何かが必要だと考えています。オフィス空間は無機質な空間になりがちなので、そこに、木や和紙といった素材を用いたアートで、有機的なあたたかみを孕んだ彩をもたらせたいと考えました。今回の取り組みで、“蓼科という自社事業の敷地内の森をまもるために間伐された木を使って、都心の開発物件に彩をもたらす”というストーリーを実現することができたことに、大きな価値を感じています。」

こだわりのポイントについてもお聞きしました。

「この建物は外観にも木調を取り入れていて、エントランスの内装には無垢のスギ材やフェイクグリーンを使用し、あたたかみや親しみやすさを演出しています。オフィスのエントランスは、いろいろな人が行き交う場でもあるので、この作品にもそのエッセンスを取り込み、木材のナチュラルな素材感がそのままの部分と、金属のような金や銀の和紙の無機的な部分という異なる素材を使用し、それらが融合するデザインを作成していただきました。
ナチュラルな木材がむき出しの部分の木の皮をそのまま残していただいたのも、観る方々に自然素材のやわらかな印象を感じていただくためのこだわりのポイントです。想像していたよりもずっと素敵に仕上げていただきました。」

クリの木目がもっとも映える色として、背景には黒染めの「雲龍手漉き和紙」を使用。一見すると金属のように見える金色、銀色の部分は、この作品のために金泊、銀泊の砂子を定着させて作成した「鳥の子和紙」でカラマツを巻き込んでいます。古くから伝わる表具師の技が光る作品です。

環境への貢献やアーティストへの支援に繋がるアップサイクルアート

キイノクス アップサイクルアートは、端材や未利用材を活用して制作しています。この取り組みについても、古賀大貴さんにお聞きました。

「この取り組みは、単なるアート作品の制作や販売ということだけでなく、このアップサイクルアートを購入することが、『環境への貢献』や『アーティストへの支援』、『伝統素材や技術の継承』に繋がるのだといった付加価値に魅力を感じました。
森林保全活動等を行っている私たちの会社のような企業とはかなり親和性が高い取り組みだと思います。
捨てられてしまっていたかもしれない物を素材として活用し、アート作品を作って、空間に彩りやあたたかみをもたらすというこの総合的な魅力が、多くの方々に伝わると良いと感じています。この活動は、アートだけじゃなく、オフィス家具でも取り入れることが出来ますので、デベロッパーという立場では、開発物件への導入も検討していければと思います。」

 

制作:京表具 井上光雅堂
素材:クリ、カラマツ、雲龍和紙、鳥の子和紙

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