みなさんこんにちは! もりのきのこです。
「木と人がともに活きる未来をつくる」キイノクス プロジェクトの活動の紹介や、木や森に関するいろいろな取り組みをみなさまにお届けしたいと思います。
今回は、森林率全国2位の岐阜県で開催の「WOOD GO! 木がおもしろい。」についてご紹介します。2022年8月18日(木)~21日(日)の4日間にわたり岐阜高島屋で開催されました。
WOOD GO!開催概要 |
開催日時 2022.08.18-21 |
開催場所 岐阜高島屋10階催会場 |
主催 Wood Go!!実行委員会(株)岐阜高島屋、岐阜柳瀬商店街振興連合会、(株)十六銀行、岐阜信用金庫、岐阜商工会議所 |
イベント総合プロデュース 合同会社ツバキラボ |
後援 岐阜県、岐阜市、岐阜県立森林文化アカデミーほか |
木のお仕事体験と木のワークショップが楽しめる! 木育イベント「WOOD GO!」
“木がおもしろい。”をコンセプトに、小学校高学年~中学生を対象とする「木のお仕事体験」と、子どもから大人まで楽しめる「木のワークショップ」。このふたつのカテゴリーで展開される体験型イベントでした。
「木のお仕事体験」は、設計・建築・大工体験と、研究体験、林業VR体験、製材体験から、いずれかひとつのお仕事をすると『WOODs(ウッズ)』という専用通貨が貰え、柳瀬商店街の指定のお店で使える商品券1、000円分と交換できるという、地域回遊型のイベント設計となっていました。
入場料が1,000円必要だけれど、WOODsが貰えるので、実質ゼロ円でさまざまなお仕事体験ができるという嬉しい仕組みです。
「木のワークショップ」は、生木を削ってスプーンをつくったり、植物を蒸留してアロマスプレーをつくったり、かんなくずを利用した木のお花づくりなどのほか、柳瀬商店街自然発見ツアーや、商店街をめぐってパーツを集めてオーナメントをつくるなど、全17種類のワークショップが展開。
子どもにとっても、大人にとっても、木や街についての発見と出会うことのできる、わくわくの体験型イベントになっていました!
イベント会場に再現された森の圧倒的な存在感
岐阜高島屋の催事場で開催されたWOOD GO! で、何よりも驚いたのは、デパート内に再現された森!!
会場のある10Fに着くと、一瞬で木の香りに包まれました。商業施設のなかで、どうしてこんなに木の香りがするんだろう? と辺りを見回すと、会場中央の床にはウッドチップが敷き詰められ、大木の幹が床から天井まで建物を貫くように設えてありました。
いったいどうなっているの? と近寄ってみると、既存の柱の周りを円形に覆い、その外側に木の皮が貼り付けられている!? あたかも大木がそこにあるかのように再現されていて、ビックリです!
さらに、その大木のまわりには、生まれて数年の若く細い木や下草など、生きた木や草が、実際の森と同じように配されていました。会場プロデュースをされた方に聞いてみると、会社の裏山の植物・樹木を、根と土とともに連れてきて、会期中は定期的にお水もあげているとのこと。
会場に満ちた森を思わせる心地良い空気は、ウッドチップの香りだけではなく、小さな木や草たちの生命の息吹きによるものだったんですね。
デパートの催事場で、深呼吸して気持ちの良い空間を再現するなんて、なんとも驚き! ただ見た目を森のように仕上げるということにはとどまらない、作り手のみなさまの、森に対する愛が、そこかしこにあふれていました。
木を飲む!? 「WOOD×COFFEE」ワークショップ体験
親子で楽しめるワークショップのなかで、なんとも興味深かったのは「WOOD×COFFEE」。木を飲む!? 味わう!? どゆこと??? 早速体験してみました。
この謎のワークショップを出展していたのは、“焙煎が新たな価値を生み出す”をコンセプトとする「焙煎屋克之佑」さん。ケヤキ・アベマキ・クロモジ、3種の「木の削りかす」をそれぞれ焙煎したものを、コーヒーと合わせて自分好みのブレンドをつくるというワークショップです。
木を飲む??
説明を聞いてもまだピンときません。なので早速、この3種の木を焙煎したものをそれぞれ単体で淹れて、テイスティングしてみました。仮に、ケヤキティ、アベマキティ、クロモジティと名付けてみましょう。
ケヤキティは、木の種類としては馴染みがあるものでしたが、テイスティングしてビックリ! まさしく木を飲んでいるという印象。一方でクロモジティは、楊枝としても使われるクロモジですので、ハーブティのようにふわりと爽やかな香りが広がりました。アベマキティは、3つのなかではそんなに強い香りの印象はなく、たとえるなら出汁のような味わい。
となると、クロモジをメインにして、コーヒーにブレンドすると美味しくなりそうなのですが、不思議なことにそうでもないのです。
コーヒーの味わいとのバランスを鑑みて、この3つをブレンドしていくのですが、私の見解としては、アベマキをメインにブレンドするのが好感触♪ 舌の奥の方でこっくりとした甘みとともに、軽やかな爽やかさが広がるような気がしました。
木の削りかすの新たな活用法として、“飲む”というスタイルが普通のことになる未来も、そう遠くないのかもしれません。 ▶「WOOD×COFFEE」が気になる方はコチラ
アベマキコーヒーを販売しています。
▶焙煎屋克之佑さんのInstagramはコチラ
森に関わる大人たちの笑顔
子どもたちの体験を中心に据えた「Wood Go!」でしたが、潜入してみると、森に関わる大人たちの笑顔がとてもキラキラとしていたのが印象的でした。
森や木について話す姿を見ていると、その姿はまるで子どもたちが学校での楽しかった出来事を語るみたいな様子で、いきいきとしているのです。
日本の林業や、国産木材の利活用においては、さまざまな課題や障壁があり、その環境は厳しい面も多々あります。でも、そこに様々な角度で関わる方々が一同に会すこのイベントには、子どもたちはもちろん、出展者や参加者の大人たちの笑顔もあふれていました。
子どもたちに伝えたい、残したい、そんな想いを胸にもつ方々の取り組みは、どれもこれも興味深く、実際にそれぞれの現場を訪れたいという気持ちがムクムクと湧いてきます。覗きに行きたい現場がいくつも増えました♪
もりのきのこは、これからもいろいろな現場を見に行って、みなさんにその様子をお伝えしていきたいと思います。